
執筆者
さくらレディースクリニック
院長香林 正樹MASAKI Kobayashi

「妊娠週数によって手術の方法は違うのだろうか」「早めに受診した方がいいのだろうか」
中絶手術を検討されている方の中には、そのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実際のところ非常に重要な点として、中絶手術は妊娠週数によって手術の方法や身体への負担が大きく異なります。
妊娠11週までの初期中絶は、日帰りで行うことができます。子宮口がまだ柔らかく、胎児も小さいため、身体への負担が比較的少ない時期です。手術は「子宮頸管拡張」という前処置を行った後、子宮内の内容物を吸引または除去する方法で行われます。
当院では、妊娠初期の中絶手術において「MVA法(手動真空吸引法)」を採用しています。また、子宮頸管拡張の処置も麻酔下で行うため、前処置の段階から痛みをほとんど感じることなく手術を受けていただけます。MVA法は合併症が少なく、子宮内膜への負担も軽いとされており、将来の妊娠への影響も少ないと考えられています。
妊娠12週以降になると、「中期中絶」と呼ばれる手術になります。この時期は胎児が大きくなっているため、初期中絶とは異なる方法で手術を行います。薬剤を使用して人工的に陣痛を起こし、分娩に近い形で処置を行うことが一般的です。
中期中絶は入院が必要となり、身体への負担も大きくなります。また、法律上、死産届の提出と胎児の埋葬許可証の取得が必要となります。
こちらの中期中絶は当院では行っておりません。
妊娠週数が早いほど、手術による身体への負担は軽くなる傾向があります。子宮口を広げる処置も最小限で済み、手術時間も短くなります。手術時の出血量も少なく、術後の体力回復も早いです。
そのため、中絶手術を検討されている場合は、できるだけ早い段階でご相談いただくことをおすすめしています。
| 妊娠初期(11週まで) | 妊娠中期(12週以降) | |
|---|---|---|
| 手術方法 | 吸引法・掻爬法など | 薬剤による分娩誘発 |
| 入院の有無 | 日帰り手術が可能 | 入院が必要 |
| 手術時間 | 5分程度 | 数時間~1日以上 |
| 身体への負担 | 軽い | 負担が大きい |
| 届出 | 不要 | 死産届・埋葬許可証が必要 |
| 費用 | 比較的安価 | 高額 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
当院では、妊娠11週までの初期中絶手術に対応しています。日帰りでの手術が可能で、その日のうちにご帰宅いただけます。妊娠12週以降の中期中絶については、入院・分娩設備のある医療機関でおこなっていただくことになります。
妊娠週数の確認は、最終月経日からの計算だけでなく、超音波検査で正確に判断いたします。「自分が今何週なのか分からない」という方も、まずはご相談ください。
妊娠10週を超えると、胎嚢および胎児が大きくなるため、手術における合併症の危険性が大幅に高まります。術前に子宮口をより広げる必要があるために手術時間が長くなり、さらに、大出血や術後細菌感染が生じやすくなる傾向があります。当院では、妊娠10週以降11週未満の手術についても対応しておりますが、これらの危険性を考慮し、できるだけ早い週数での手術を強くおすすめしています。
なお、妊娠週数に関わらず、当院ではすべての手術において痛みへの配慮を徹底しています。前処置の段階から麻酔を使用し、患者様がほとんど眠っている状態で手術を行います。
中絶手術は、妊娠週数によって手術方法や身体への負担が大きく異なります。週数が早いほど、日帰りで負担の少ない手術を受けることができます。妊娠に気づいたら、できるだけ早くご相談いただくことで、患者様にとって最も負担の少ない選択肢をご提案できます。
「中絶手術するかをまだ決断できていない」「中絶手術はしたいが、どこで手術するかはまだ決めていない」という段階でも構いません。まずは正確な妊娠週数を確認するためにも、当院へお気軽にご来院ください。