子宮筋腫・子宮内膜症とは
子宮筋腫と子宮内膜症は、婦人科診療において患者さんが特に多い病気です。
子宮頸がん検診時にこれらの病気がたまたま見つかることも非常に多いです。
どちらも生理のトラブルや不妊の原因となる可能性がある病気であり、状態に応じた適切な管理・治療が必要となります。。
子宮筋腫
子宮の壁にできる、筋細胞で構成された良性腫瘍です。遺伝により発生すると可能性があるといわれていますが、発生原因は未だ解明されていません。
大きさ、場所、数は様々です。できる場所によって図のように3種類に分類できます。
30歳以上の女性の4人に1人には子宮筋腫があるとよく言われますが、かなり小さなものも含めれば実は80%もの女性に子宮筋腫があります。
子宮筋腫の症状
子宮筋腫の大きさ、場所などにより症状は様々です。
無症状の方もいますが、例えば以下のような症状が現れます。
- 生理のトラブル(出血増加、強い生理痛)
- お腹に硬いものが触れる
- 頻尿、排尿障害
- 便秘
- 脚のむくみ
- 不妊
- 流産
- 妊娠時のトラブル(早産、逆子、分娩時大量出血など)
子宮筋腫の治療方法
症状の程度や子宮筋腫の大きさ、年齢、妊娠・出産の希望の有無などによって治療方法は異なります。
無症状であれば、治療が不要となる場合もあります。
当院では、患者様の環境やご意向に合わせて治療法のご相談、必要時は他の医療機関への紹介を行っています。
- 症状を改善させる治療(対症療法)
- GnRHアナログ製剤(薬物療法)
- 単純子宮全摘手術
- 子宮筋腫核出手術
- 子宮動脈塞栓術
子宮内膜症
本来ならば子宮の内側にある子宮内膜が子宮内腔以外にも発生し、骨盤内に持続的に炎症を起こすことで、主に痛みと不妊を引き起こす病気です。発生原因はまだ解明されていません。
できる場所は様々です。子宮表面、骨盤内の腹膜、直腸などに発生し、卵巣に発生して進行すると、図のように卵巣チョコレート嚢胞となります。
生理のある女性の10人に1人は子宮内膜症があります。さらに不妊症の女性では、2人に1人に子宮内膜症がみられます。
子宮内膜症の症状
例えば以下のような症状が現れます。
- 生理のトラブル(出血増加、強い生理痛)
- 不妊
- 下腹部痛
- 性交渉時の痛み
- 不妊症
- 排便時・排尿時の痛み
- 流産
子宮内膜症の治療方法
症状の程度や年齢、妊娠・出産の希望の有無などによって治療方法は異なります。
当院では、患者様の環境やご意向に合わせて治療法のご相談、必要時は他の医療機関への紹介を行っています。
- 症状を改善させる治療(対症療法)
- 低用量ピル(薬物療法)
- ジエノゲスト(薬物療法)
- ミレーナ
- GnRHアナログ製剤(薬物療法)
- 卵巣嚢腫摘出手術
- 癒着剥離手術