わきの汗・におい
わきは身体の中で特に汗をかきやすい部位です。わきからの汗は、服の汗ジミや、においが強くなる原因となります。
わき汗を分泌する汗線には、 ①エクリン汗腺 ②アポクリン汗腺 の2種類が存在します。
わき汗のほとんどはエクリン汗腺から出てくる汗であるため、このエクリン汗腺からの汗を抑える治療法であるボトックス注射が非常に効果的な治療法です。投与するボトックス量によっても変わりますが、ボトックスによって約80%の汗の減少を実感できるといえます。
一方で、わきのにおいの原因は、エクリン汗腺ではなくアポクリン汗腺から出てくる汗と考えられています。
厳密には、アポクリン汗腺から出てくる汗そのものににおいがあるのではなく、アポクリン汗腺由来の汗の中に含まれている物質が皮膚の常在菌に分解されることで、においが発生します。
ボトックスが抑えるのはエクリン汗腺であるため、ボトックス治療を行ってもわきのにおいそのものをなくすことはできません。
しかし、エクリン汗腺からの汗はアポクリン汗腺由来のにおいを拡散して強める作用があるため、ボトックス治療を行うことでにおいが強まるのを抑えることができます。つまり、脇のにおいの軽減目的の治療としてボトックスは有効な治療法です。